ファイナンシャルプランナーの平田純子です。
今回は、超長寿社会を生き抜くための保険の活用術のお話です。
日本の国民は保険好きで知られています。
中でも女性は、投資には消極的な人も、
保険にはたくさん入っているという傾向が強いように感じます。
保険はそもそも、万が一の事態に備えた経済リスク対策に用いるものです。
長くなりそうな老後生活の経済リスクに備えられる保険とは?!
老後生活資金のための保険 その1
終身保険
死亡や病気・けが、介護状態の際に保険金が給付される保険で、
いわゆる掛捨てではない保険です。
契約期間(終身=一生涯)の任意のタイミング、
この保障が、この先もずっと不要だと判断したタイミングで
契約を解約した場合、解約返戻金という受け取れるお金があり、
このお金を老後資金の足しにできるというものです。
払い込んだ保険料に対し、できるだけ多くの解約返戻金を受け取るコツとしては、
契約時に保険料の払い込み期間を短く設定することです。
多くの場合、保険料払込み期間が終了すると、
受け取れる解約返戻金が元本(払込み保険料の総額)を上回り出す仕組みです。
契約期間中に契約の被保険者が亡くなったら、
約束した保険金を受取人は受け取ることができます。
保障の必要性がある、保障が不足しているという場合に、
検討商品のひとつとして比較検討の余地がありますが、
毎月払込む保険料の割に万が一に備えた保険金の額は低く、
一方、投資信託などの投資商品ほど、運用効果は期待できません。
老後資金のための保険 その2
確定個人年金保険
将来、年金として一定期間(例えば10年間など)お金を受け取るために、
保険を使ってコツコツ貯めていくという保険商品です。
言ってみれば、自分の将来のために、
自分でコツコツ貯金することと仕組みとしては同じですが、
毎月保険料として強制的に口座から引かれるので、
自分の都合や気持ちに惑わされることなく確実に貯めることができます。
払込んだ保険料は、年金受取時にほんの少し増えて戻ってきますが、
増やす効果はほんのわずかなので、あまり期待しない方がよいでしょう。
増やすというよりは、『確実に貯める』効果を得たい場合に利用するとよいでしょう。
約束した期間保険料を払い込めば、払込んだ保険料は確実に手元に戻ってきます。
尚、契約期間中に契約者(=被保険者)が亡くなったら、
払込んだ保険料(一部手数料は控除される)は、遺族に払い戻されます。
老後資金のための保険 その3
トンチン年金保険
個人年金保険の商品のひとつで、トンチン性がある個人年金保険のことを言います。
特徴としては、保険料払込み期間中の死亡保障をなくし(又は極少額に設定し)、
生きている間ずっと年金が受け取れるという設計をした個人年金保険です。
一定期間、年金が受け取れる確定個人年金と異なり、
生きている間ずっと年金が受け取れる点は長生きリスク対策と言えるでしょう。
同じく生涯受け取れる公的年金に上乗せができると考えると、
より一層安心感が増すかもしれません。
ただし、保険料が高額なこと、80代後半から90歳以上長生きしないと、
払込んだ保険料の元が取れない商品構造になっている点には注意が必要です。
確定個人年金の場合は、払込んだ保険料が確実に受け取れますが、
払込んだ保険料以上の額は受け取れません。
一方、トンチン年金は、払込んだ保険料が確実に受け取れるかどうかは、
あなたの寿命次第、さらに長生きした場合は、
払込んだ保険料以上のお金が受け取れる可能性もあるのです。
長生きリスク対策は誰もが抱える頭が痛い問題ですが、
保険に関わらず、商品や内容をよく理解した上で検討するようにしましょう。
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