㈱ハチハウス、宅地建物取引士の青木です。
前回のブログでも書きましたが、近年は新築だけでなく、中古マンションの価格も高騰していますね。 そんななか、SUUMOなどで物件を検索していて、「あれ、これ、エリア的にも、築年数的にも、ブランドマンションなのに近隣の物件より安い!?」というマンションを見つけたことありませんか?
それ「定期借地権分譲マンション」かもしれません。
通常のマンションには「所有権」があります。「土地の所有権」と「建物の所有権」をセットで購入します。しかし定期借家権のマンションは、土地については、期間限定で土地を借りる権利を購入するのです。(借地権には普通借地権と定期借地権がありますが、今回は定期借地権のお話です) 1992年に「新借地借家法」が施行されて以降、特に東京では多くの定期借地権のマンションがつくられました。
定期借地権のマンションとは:
1.土地を借りられる期限が決まっていて、借地期間満了時に更新することができません。借地期間満了時は建物を取り壊し、更地にして土地を地主に返還することが必要です。
2.借地の期間は、新規分譲マンションの完成時からおおよそ50年から70年が多い。
3.毎月地代を支払います。また、解体積立金という所有権等のマンションにはない維持費も発生することが多い。
つまり、マンションが建築されている土地には別途地主さんが存在するということです。 最近東京の話題になる大規模な定期借地権のマンションは、土地の持ち主が東京都だったり、大企業だったり、病院や寺社など。。
定期地家権マンションのメリット:
1.なんといっても通常の所有権のマンションよりも価格が安いこと。7-8割の価格が多いと言われています。たとえば、品川駅から徒歩10分以内のタワーマンション。
所有権の「品川Vタワー」(品川駅徒歩6分、22階、約70㎡、2003年築)が約1.43億で販売されている一方、定期借地権の「シティタワー品川」(品川駅徒歩10分、27階、約73㎡、2008年築)が約7900万円で販売中。 駅からの距離も少しはありますが、この差はやはり定期借地権だからかと思われます。
2.立地の良いところに獲得できることも大きなメリット。
ヴィンテージマンションとして有名な広尾ガーデンヒルズの隣地に2013年に建築された広尾ガーデンフォレストや、渋谷区役所とNHKに挟まれた立地のパークコート渋谷ザタワーなど、有名な高級立地マンションも多い。
定期借地権マンションのデメリット:
1.期限が来たら返還しなくてはならない、しいては所有権や普通借地権のマンションと比べると資産価値が低い。 返還の残存期間によっては売却が難しくなることがあげられます。
2.前述のとおり、地代や解体積立金が発生する(たとえば、前出のシティタワー品川(27階、約73㎡、)解体積立金:3133円/月、地代:1万4975円/月 (別途管理費や修繕積立金は所有権マンションと同様に発生します)
3.残存期間によっては、住宅ローンが組みにくいことがあります
では、どのような方に定期借地権のマンションが適してるでしょう?
子供への不動産の相続を予定しない方、さすがに残存期間以降住宅は不要なセカンドライフの住み替えの方、また若い人でも、一度あこがれの超都心に住み、まだ築年数が浅いタイミングで売却を考えている方などでしょうか。
いずれにしてもメリットデメリットをきちんと把握した上で、ライフプランを考えて選択してくださいね。 oaoでは、あなたのライフプランを金銭的な面も含めて見える化し、住まいの計画を一緒に考えてプランニングいたします。 ぜひご相談ください。
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